展覧会

開館10周年 ちくごist 河北秀也 デザインの旅

2026.08.8(土)-2026.10.12(月・祝)

開館10周年 ちくごist 河北秀也 デザインの旅

 このたび、久留米市美術館では、筑後地方にゆかりのあるアーティストを紹介する「ちくごist」シリーズの第3回として、久留米出身のアートディレクター・河北秀也(1947− )の追求するデザイン思考にせまる展覧会を開催します。
 河北は、デザインはあくまで額縁であり、主役は商品そのものであるという信念のもと、つかう人の気持ちを一番に考えたデザインを常に心がけています。
 本展では、少年時代を過ごした久留米・筑後での思い出を出発点として、初期の代表作である地下鉄路線図・地下鉄マナーポスターや、1984年から現在まで40年以上つづくB倍サイズの駅ばりポスター、ボトルデザイン、CM、雑誌広告などのすべてをディレクションするiichiko designの魅力を多角的に掘り下げることから、河北秀也が歩み続ける「デザインの旅」を巡る機会とします。

見どころ

プロローグ ちくごist デザイナー 河北秀也の原点

河北は中学3年生の春休みに、石橋文化センターで募集していた記念スタンプ図案に応募し、佳作入選となりました。またデザイナーを目指して大分県の宇佐に転校した高校2年生の夏休みには、石橋美術館で開催された夏季洋画講習会に参加しています。河北にとって久留米市美術館のある場所は、デザイナーとしての原点の地であったといえます。

  • 石橋文化センターのスタンプ募集の図案をみる審査員(石橋美術館にて) 出典:朝日新聞1963年3月17日 掲載記事 ※右から谷口鉄雄(九州大教授)、豊田勝秋(佐賀大教授)、ほか岸田勉(佐賀大助教授)、藤田英一(石橋文化センター常務理事)が審査にあたる
    石橋文化センターのスタンプ募集の図案をみる審査員(石橋美術館にて) 出典:朝日新聞1963年3月17日 掲載記事 ※右から谷口鉄雄(九州大教授)、豊田勝秋(佐賀大教授)、ほか岸田勉(佐賀大助教授)、藤田英一(石橋文化センター常務理事)が審査にあたる
  • 河北が参加した第4回夏季洋画講習会(1964年8月26日~29日)会場風景 出典:石橋美術館 館報No.9(1965年) ※石本秀雄(佐賀大教授)、内野秀美、川原貫一、鶴甫が講師をつとめた
    河北が参加した第4回夏季洋画講習会(1964年8月26日~29日)会場風景 出典:石橋美術館 館報No.9(1965年) ※石本秀雄(佐賀大教授)、内野秀美、川原貫一、鶴甫が講師をつとめた
  • サクマ製菓 いちごみるくパッケージ 1968年<br />
大学生のときにアルバイトでパッケージデザインを手がけた。その際に「きみは額縁屋だね」と言われて以来、デザインはあくまで額縁で、主役は商品そのものであるという信念のもと、デザインに取り組んでいる<br />
    サクマ製菓 いちごみるくパッケージ 1968年
    大学生のときにアルバイトでパッケージデザインを手がけた。その際に「きみは額縁屋だね」と言われて以来、デザインはあくまで額縁で、主役は商品そのものであるという信念のもと、デザインに取り組んでいる

STORY 1 駅からはじまる ― つかう人のためのデザイン

河北は、つかう人の気持ちを一番に考えたデザインを常に心がけています。地下鉄路線図は、地方から上京してきた高齢者の方にもわかりやすい路線図が必要との思いから考案されました。また初期の代表作である地下鉄マナーポスターのシリーズは、駅という大勢の人が目にする場所に掲げられた公共広告として、映画スターをモティーフにするなど、大きな話題となりました。

  • 旧営団地下鉄 地下鉄路線図 1972年<br />
    旧営団地下鉄 地下鉄路線図 1972年
  • 旧営団地下鉄マナーポスター 帰らざる傘
    旧営団地下鉄マナーポスター 帰らざる傘
  • 旧営団地下鉄マナーポスター 独占者
    旧営団地下鉄マナーポスター 独占者

STORY 2 ボトルのある風景 - iichiko design のはじまり 1984-1989

河北は1983年から、姉夫妻の勤める三和酒類からの依頼により、麦焼酎いいちこの広告を手がけます。1984年から始まったB0判の駅ばりポスターは、毎月1枚のペースで掲出され、現在までに500点以上が制作されています。印刷では、イメージに合うように紙やインクの種類を毎回変えるなど、徹底的にこだわり抜いています。STORY2では、iichiko designのはじまりとして、1980年代に制作された初期のポスターをご覧いただきます。

  • いいちこ駅ばりポスター No.:A-1 B0判 1984年4月<br />
    いいちこ駅ばりポスター No.:A-1 B0判 1984年4月

STORY 3 ボトルと旅する ― あの日の記憶 1990-1999

いいちこの駅ばりポスターは、美しい日本の原風景をテーマとしています。しかし、国内では電柱や看板などが目立ってしまうという理由から、そのほとんどは海外で撮影されています。心地よい風景の中に佇むいいちこのボトルは、河北秀也とともに世界中を旅してきました。STORY3では、1990年代に世界のさまざまな場所で撮影されたポスターを展示します。

  • いいちこ駅ばりポスター No.:A-159 B0判 1996年8月<br />
    いいちこ駅ばりポスター No.:A-159 B0判 1996年8月

STORY 4 楽しみの時間を想う ― iichiko design のめざすもの

河北は iichiko design において、麦焼酎そのものの素材の味わいや、酒を酌み交わす相手との時間や空間を大切にデザインしています。表裏のない工芸品のように美しいボトルや、食材でボトルをかたどった雑誌広告など、楽しみの時間に想いを馳せる工夫が随所に凝らされたデザインをご覧いただきます。

  • いいちこフラスコボトル 1998年10月<br />
    いいちこフラスコボトル 1998年10月
  • いいちこSUPER 雑誌広告 2025年8月<br />
    いいちこSUPER 雑誌広告 2025年8月

STORY 5 楽しみはここにある - iichiko CM gallery 1986-2026

1986年から現在まで毎年制作されているいいちこのCM。1987年からはビリー・バンバンによる音楽が使われており、ナレーションは河北自身が担当しています。音楽と映像、そしてナレーションが心地よいハーモニーを生み出すiichiko CMを関連するポスターとともにお楽しみください。

STORY 6 River and Plain - いつかどこかで見た風景

いいちこの駅ばりポスターには、清らかな水が流れる河川や、美しい野花の咲きほこる平野が撮影されたものがあります。撮影地はすべて海外ですが、河川や平野は、筑後川や筑後平野が身近にある私たちや、久留米で生まれ育った河北にとっても親しみの深い光景といえます。いつかどこかで見たような、懐かしくも美しい原風景に想いを馳せてご覧ください。

STORY 7 自然とともに生きていく -この地球のなかで

これまで世界の30ヶ国以上でロケーションが行われているいいちこ駅ばりポスター。なかでも印象的なのは、自然が生み出す一瞬の表情や、スケール感のある風景を捉えたポスターではないでしょうか。STORY7では、私たちの生きる地球での自然の力を感じさせる作品を展示します。

  • いいちこ駅ばりポスター No.:A-216 B0判 2000年12月<br />
    いいちこ駅ばりポスター No.:A-216 B0判 2000年12月
  • いいちこ駅ばりポスター No.:A-379 B0判 2013年8月
    いいちこ駅ばりポスター No.:A-379 B0判 2013年8月

STORY 8 この道の先、あの空の向こう - 明日も旅は続いていく

河北は「いいちこは、わたしの人生です」*といいます。デザイナーを志した10代の頃から現在まで60年を越える活動のうち、実に40年以上にわたり一貫したコンセプトで流行に左右されないブランドイメージを積み重ねてきたiichiko design。その道のりは、河北の歩んできたデザインの旅路そのものといえるかも知れません。STORY8では、 これまでの歩みと、明日も続いていく旅の行方を想起させる駅ばりポスターをご覧いただきます。* 『iichiko Design Week 2024 』冊子 (2024) 「わたしといいちこ」より

エピローグ 河北秀也のいま

いいちこの駅ばりポスターは、毎月20日から月末まで、全国500ヶ所以上の駅で掲出されています。エピローグでは、河北秀也のいまを感じることができる最新の駅ばりポスターを会場に展示します。

基本情報

会期
2026年8月8日(土)~10月12日(月・祝)
月曜休館 (ただし9月21日、10月12日は開館)
10:00-17:00(入館は16:30まで)
会場
久留米市美術館 2階
入館料
個人 団体
一般 800円 600円
シニア 500円 300円
大学生 400円 200円
高校生以下無料 無料 無料
※( )は15名以上の団体料金、シニアは65歳以上
※上記料金で、石橋正二郎記念館もご覧いただけます
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は療育手帳等の交付を受けている方とその介護者1名は、無料となります
主催
久留米市美術館、西日本新聞社、テレビ西日本
特別協力
三和酒類株式会社、株式会社日本ベリエールアートセンター
後援
久留米市教育委員会
企画協力
株式会社TNCプロジェクト

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