展覧会

芥川龍之介と美の世界 二人の先達─夏目漱石、菅虎雄

2023.10.28(土)‐2024.1.28(日)

芥川龍之介と美の世界 二人の先達─夏目漱石、菅虎雄

このたび、久留米市美術館では、「芥川龍之介と美の世界 二人の先達─夏目漱石、菅虎雄」を開催いたします。

大正時代を象徴する作家・芥川龍之介(1892-1927)が、明治の文豪・夏目漱石(1867-1916)の弟子を自任していたことはよく知られています。さらに本展では、漱石の古い親友で、芥川にとっては高校時代のドイツ語の先生であった菅虎雄(久留米出身、1864-1943)も含めた三人の関係に注目します。禅や書に精通した菅虎雄と二人の文豪との知られざる交流を辿りつつ、芥川の美意識の形成に深くかかわる原稿や書籍、美術作品など約300点を展示します。

 ※展示替を行います
  1期: 2023年10月28日(土) – 11月26日(日)
  2期: 2023年11月28日(土) – 12月27日(水)
  3期: 2024年1月4日(木) – 1月28日(日)
    ※1月3日(水)は年始特別開館(4日以降も平常通り開館します)
(PDF/605KB)

見どころ

注目ポイント1 文豪2人と深いつながりを持っていた菅虎雄とは!?

久留米に生まれ、学生時代に漱石と知り合いました。「最も親しかった」とも言われるように漱石から何かと頼られ、「坊っちゃん」の舞台となる松山の中学校や、熊本の第五高等学校の就職の世話をしたのも菅虎雄です。第一高等学校の名物教師として長くつとめ、書家に匹敵する書の腕前でも知られていました。芥川が初めて出版した『羅生門』の扉の題字は管によるものです。芥川は高校で菅にドイツ語を習い、大学生3年の時から漱石の「木曜会」に参加しました。

  • 菅虎雄《我鬼窟》1919年 日本近代文学館<br />
*2期
    菅虎雄《我鬼窟》1919年 日本近代文学館
    *2期
  • 芥川龍之介『羅生門』表紙(阿蘭陀書房、1917年) みやこ町歴史民俗博物館 <br />
    芥川龍之介『羅生門』表紙(阿蘭陀書房、1917年) みやこ町歴史民俗博物館 
  • 菅虎雄(書・刻)《第一高等学校門札》1938年 東京大学駒場博物館
    菅虎雄(書・刻)《第一高等学校門札》1938年 東京大学駒場博物館

注目ポイント2 芥川龍之介が愛した美術たち

大正文化の真っ只中にいた芥川は機会をとらえて美術鑑賞や観劇に出かけ、その感想を友人たちに書き送っています。当時の美術界は「文展」に加えて「二科会」や「フュウザン会」など様々な団体が生まれ、自分たちの表現を模索していました。必ずしも万人に受ける作品をよしとしない芥川の姿勢や、時には自ら筆をとったことなどは、師の漱石に通じるものがあります。本展では彼らが見つめた美術作品や、漱石や芥川の小説にインスパイアされた絵画・彫刻などを紹介します。

  • 小杉放庵《水郷》1911年 東京国立近代美術館
    小杉放庵《水郷》1911年 東京国立近代美術館
  • 石井柏亭《滞船》1913年 和歌山県立近代美術館 *3期
    石井柏亭《滞船》1913年 和歌山県立近代美術館 *3期
  • 夏目漱石《風月相知》個人蔵(日本近代文学館寄託) *1期、2期
    夏目漱石《風月相知》個人蔵(日本近代文学館寄託) *1期、2期
  • 芥川龍之介《水虎晩帰之図》1923年 山梨県立文学館 *1期
    芥川龍之介《水虎晩帰之図》1923年 山梨県立文学館 *1期
  • 松岡映丘《湯煙(草枕)》1928年 練馬区立美術館寄託 *1期
    松岡映丘《湯煙(草枕)》1928年 練馬区立美術館寄託 *1期
  • 清水良治《蜘蛛の糸(芥川龍之介より)》2004年 石川県立美術館
    清水良治《蜘蛛の糸(芥川龍之介より)》2004年 石川県立美術館

注目ポイント3 彼らの息づかいを伝える原稿や書簡

夏目漱石の書籍は橋口五葉や津田青楓の装幀により、それ自体が美術品のような高いデザイン性で注目されました。芥川は自分の本でちょっと真似したことも・・・。本展には当時出版された漱石・芥川の初版本のほか、彼らのオリジナルの原稿や、漱石・菅・芥川がやり取りした手紙といった貴重な資料を各地の文学館の協力で展示紹介いたします。活字では伝えきれない “書いた人” の存在を感じられる生原稿や書簡の数々を、ぜひ実際にご覧ください。

  • 夏目漱石『漾虚集』(大倉書店・服部書店、1906年) 野田宇太郎文学資料館 *3期
    夏目漱石『漾虚集』(大倉書店・服部書店、1906年) 野田宇太郎文学資料館 *3期
  • 芥川龍之介《「鼻」原稿》(部分)  1914年 山梨県立文学館 *2期
    芥川龍之介《「鼻」原稿》(部分) 1914年 山梨県立文学館 *2期
  • 夏目漱石《芥川龍之介、久米正雄宛書簡》1916年8月24日付 日本近代文学館 *3期
    夏目漱石《芥川龍之介、久米正雄宛書簡》1916年8月24日付 日本近代文学館 *3期

基本情報

会期
2023.10.28(土)-2024.01.28(日)
会場
久留米市美術館
入館料
個人 団体
一般 1,200円 1,000円
シニア 900円 700円
大学生 600円 400円
高校生以下 無料 無料
前売り (Pコード686-436/Lコード86705) 900円
*身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は療育手帳等の交付を受けている方とその介護者1名は、無料。
*団体料金は15名以上、シニアは65歳以上。
*前売券はチケットぴあ、ローソン各店にて会期1ヶ月前より販売。
*上記料金にて石橋正二郎記念館もご覧いただけます。
*メンバーシップ「みゅ〜ず」の会員の方は、こちらをご覧ください。
主催
久留米市美術館、西日本新聞社、テレビ西日本
特別助成
公益財団法人石橋財団
後援
久留米市教育委員会

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