展覧会

じっと見る ブリヂストン美術館収蔵作品より

2017.07.29(土) ‒ 2017.11.05(日)

じっと見る ブリヂストン美術館収蔵作品より

今回の展覧会では、画家や彫刻家の熱いまなざしに注目して、石橋財団コレクションから選ばれた総数約130点の作品を「人物」「自然」「馬」「静物」「都市」「見えないもの」の6つのグループに分けて紹介します。
 ギリシア陶器から国内外の近現代美術まで、幅広い時代とジャンルにわたるブリヂストン美術館の収蔵作品から、作家たちの「じっと見た」軌跡をお楽しみください。
 なお、会期中には関連イベントとして、ブリヂストン美術館の学芸員による美術講座やファミリープログラムも予定しています。

出品目録(PDF/1.3MB)

見どころ

第1章 人物

 鏡の中の自分としっかりと目を合わせた、レンブラントの自画像。肖像画では、お気に入りのモデルをあたたかな色で包みこむように描いたルノワールや、格調高い女性像を描いた岡田三郎助、幼い弟の無心な表情を神秘的に表現した関根正二の作品などがあります。人物を前にした画家たちのまなざしには、モデルとの関係性や親密度がそのまま表れています。

  • 岡田三郎助《婦人像》1907年
    岡田三郎助《婦人像》1907年
  • 関根正二《子供》1919年
    関根正二《子供》1919年
  • レンブラント・ファン・レイン<br />
《帽子と襟巻きを着けた暗い顔のレンブラント》<br />
1633年
    レンブラント・ファン・レイン
    《帽子と襟巻きを着けた暗い顔のレンブラント》
    1633年
  • ピエール=オーギュスト・ルノワール<br />
《花のついた帽子の女》1917年
    ピエール=オーギュスト・ルノワール
    《花のついた帽子の女》1917年

第2章 自然

 19世紀の画家・コローが描いた森の風景には、都会人としてのノスタルジックなまなざしがあり、一方で同時代の酒井抱一は、四季の草花の特徴を丁寧に観察し、金屏風にリズミカルに配しています。こうした日本人の自然への繊細なまなざしから影響を受けたガレは、虫や草花のモティーフを大胆な図案としてとらえ、独自の装飾的なガラス工芸を生み出しました。

  • カミーユ・コロー《ヴィル・ダヴレー》1835-40年
    カミーユ・コロー《ヴィル・ダヴレー》1835-40年
  • 酒井抱一《新撰六歌仙四季草花図屏風》<br />
江戸時代 19世紀前半<br />
※前期のみ展示
    酒井抱一《新撰六歌仙四季草花図屏風》
    江戸時代 19世紀前半
    ※前期のみ展示
  • エミール・ガレ《蜻蛉草花文花瓶》1880-1900年頃
    エミール・ガレ《蜻蛉草花文花瓶》1880-1900年頃

第3章 馬

 古くから人間の営みの近くにいた馬は、古今東西の作品に登場します。古代エトルリアの建築装飾に描かれた親子馬の表情には、作者の情愛のまなざしが感じられ、19世紀のロートレックは競走馬の空を駆けるような躍動感に注目しています。久留米出身の坂本繁二郎は馬の美しさにとりこになった画家でした。その馬への愛情は版画の柔らかな輪郭線になって表れています。

  • エトルリア《建築装飾フリーズ部分、泉水に向かう二頭の馬》紀元前550-540年
    エトルリア《建築装飾フリーズ部分、泉水に向かう二頭の馬》紀元前550-540年
  • アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック<br />
《騎手(Ⅰ)》1899年<br />
※前期のみ展示
    アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
    《騎手(Ⅰ)》1899年
    ※前期のみ展示
  • 坂本繁二郎《阿蘇五景 放牧》1950年
    坂本繁二郎《阿蘇五景 放牧》1950年

第4章 静物

 坂本繁二郎が描く柿には、画家がその存在と一体となっているようなあたたかさが感じられる一方、セザンヌが対象を見る目は鋭く、実際に見える形態を、画家独自の目で歪ませています。安井曾太郎の視線はセザンヌに影響されつつも、どこかユニークです。 果物や器などどこにでもある身近な題材が、作家のまなざしによって様々な表情を見せます。

  • 坂本繁二郎《柿》1944年
    坂本繁二郎《柿》1944年
  • ポール・セザンヌ《鉢と牛乳入れ》<br />
1873-77年頃
    ポール・セザンヌ《鉢と牛乳入れ》
    1873-77年頃
  • 安井曾太郎《レモンとメロン》1955年
    安井曾太郎《レモンとメロン》1955年

第5章 都市

 画家たちが目を向けた街の風景は、その時、画家自身が身を置いた場所であり、画面にはそこで過ごした時間も閉じ込められています。佐伯祐三が見たパリの街は、洗練された色彩の美しさの中に、どこか寂しげな空気が漂います。都市を描いた作品は、そこにいた画家たちの心象の記録とも言えるでしょう。

  • 佐伯祐三《テラスの広告》<br />
1927年
    佐伯祐三《テラスの広告》
    1927年
  • 佐伯祐三《ガラージュ》<br />
1927-28年
    佐伯祐三《ガラージュ》
    1927-28年

第6章 見えないもの 

 しなやかな体に凛とした雰囲気を漂わせる猫として女神を表した古代エジプト人の目、物語の世界を深い闇の中に神秘的に描いて見せたレンブラント、脳裏に浮遊するモティーフを取り出し独自の世界観を表現した古賀春江。強い想像力を得た画家たちの目は、現実世界を軽々と飛び越え、誰も見たことのないイメージ世界にたどり着き、魅力的な造形や色を獲得してきました。

  • エジプト《聖猫》<br />
紀元前950-660年
    エジプト《聖猫》
    紀元前950-660年
  • レンブラント・ファン・レイン<br />
《聖書あるいは物語に取材した夜の情景》<br />
1926-28年
    レンブラント・ファン・レイン
    《聖書あるいは物語に取材した夜の情景》
    1926-28年
  • 古賀春江《涯しなき逃避》1930年
    古賀春江《涯しなき逃避》1930年

基本情報

会期
【前期】2017.07.29(土)−2017.09.24(日)
【後期】2017.09.28(木)−2017.11.05(日)
会場
久留米市美術館 本館2階
入館料
個人 団体
一般 1,000円 800円
シニア(65歳以上) 700円 500円
大学生 500円 300円
高校生以下 無料 無料
前売り (Pコード768-204/Lコード86083) 600円
*団体料金は15名以上。
*障害者の方は手帳をご提示いただきますと、ご本人と介護者1名が一般料金の半額となります。
*前売券はチケットぴあ、ローソン各店にて展覧会開始日の約1か月前より販売。
主催
久留米市美術館、朝日新聞社、RKB毎日放送
特別助成
公益財団法人石橋財団
後援
久留米市教育委員会

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