展覧会

没後70年 南薫造

2021.07.03(土)-2021.08.29(日)

没後70年 南薫造

広島県呉市安浦町出身の南薫造(1883-1950)は、日本近代洋画史を彩る画家の一人です。その活躍の時期は、明治末から昭和の戦後間もなくの頃にあたり、まさに日本洋画が成熟していく時期と重なります。

没後70年を記念して開催する本展は、東京美術学校在学中の作品に始まり、ヨーロッパ留学時代の作品、文展や帝展、日展の出品作、アジア各地に取材した風景画など、初期から晩年までの画業の全貌を紹介する初の大規模な回顧展です。郷里・瀬戸内の光を思わせる豊かな色彩の世界をお楽しみください。

 

南薫造 みなみ くんぞう

《自画像》1907年 東京藝術大学蔵

 

1902-07 東京美術学校で岡田三郎助に師事。

1907-10 イギリスに留学。ロンドンを拠点に欧米各地を巡歴。

1910 白樺社主催「南薫造・有島壬生馬滞欧記念絵画展」で滞欧作を発表。

1910-12 自画自刻自摺による創作版画を手がける。

1916 文展審査員。初めてインド訪問、以降、台湾・中国などアジア各地に取材。

1932-43 東京美術学校教授を務める。

1944 郷里に疎開。

1945 空襲により東京大久保百人町の自宅アトリエを失う。

1950 郷里にて死去。

出品目録(PDF/1.8MB)

見どころ

展覧会の構成

「初期 美校時代」「留学時代」「帰国後の活躍」「郷里での活動」の4章で構成。初期から晩年までの画業を総数201点の作品と51点の資料で紹介します。※水彩、版画などは、半期ずつの展示(前期7/3-8/1、後期8/3-8/29)

  • 《瀬戸内海》1905年 東京藝術大学蔵
    《瀬戸内海》1905年 東京藝術大学蔵
  • 《坐せる女》1908年 広島県立美術館蔵
    《坐せる女》1908年 広島県立美術館蔵
  • 《少女》1909年 東京国立近代美術館蔵
    《少女》1909年 東京国立近代美術館蔵
  • 《葡萄棚》1915年<br />
早稲田大学會津八一記念博物館蔵
    《葡萄棚》1915年
    早稲田大学會津八一記念博物館蔵
  • 《生家の近く》1949年頃 個人蔵
    《生家の近く》1949年頃 個人蔵

透明感あふれる水彩画

中学時代、大下藤次郎の『水彩画之栞』を手に入れた南薫造は、水彩画ブームの中で画家を志します。東京美術学校を卒業後、彼が留学先に選んだのは水彩画の本場イギリスでした。帰国後も日本水彩画会に創立時から関わり、水彩画制作は生涯つづけられます。

  • 《河と並木》郡山市立美術館蔵(前期展示)
    《河と並木》郡山市立美術館蔵(前期展示)
  • 《うしろむき》1909年 広島県立美術館蔵<br />
(前期展示)
    《うしろむき》1909年 広島県立美術館蔵
    (前期展示)
  • 《テームズ夜景》1909年頃 広島県立美術館蔵(後期展示)
    《テームズ夜景》1909年頃 広島県立美術館蔵(後期展示)

創作版画の先駆け

1910年、留学から帰国した南は、文展などに意欲作を発表し、新進画家として画壇に迎えられます。この時期、留学仲間で後に陶芸家となる富本憲吉と自画自刻自摺による木版画制作にも励みます。

  • 《舟おろし》1911年頃 千葉市美術館蔵<br />
(後期展示)
    《舟おろし》1911年頃 千葉市美術館蔵
    (後期展示)
  • 《伊太利アッシジの城》1912年<br />
町田市立国際版画美術館蔵(前期展示)
    《伊太利アッシジの城》1912年
    町田市立国際版画美術館蔵(前期展示)
  • 《魚見(自刻)》1911年頃 個人蔵<br />
(前期展示)
    《魚見(自刻)》1911年頃 個人蔵
    (前期展示)

豊富な資料

スケッチブックや絵日記、留学仲間から届いた絵葉書など、戦災を免れた貴重な資料から、写生を大事にした画家の姿勢や人間性を知ることができます。

  • スケッチブック4 《夕に祈る》関連素描<br />
1908年頃 個人蔵
    スケッチブック4 《夕に祈る》関連素描
    1908年頃 個人蔵
  • 絵日記3 美校の奈良京都古美術実地見学旅行(南薫造引率) 1933年頃 個人蔵
    絵日記3 美校の奈良京都古美術実地見学旅行(南薫造引率) 1933年頃 個人蔵
  • 絵葉書10 南薫造宛、白瀧幾之助書簡<br />
1910年6月26日 個人蔵
    絵葉書10 南薫造宛、白瀧幾之助書簡
    1910年6月26日 個人蔵

豊かな色彩

東京美術学校で岡田三郎助に師事し、イギリスを中心にヨーロッパで制作に励んで帰国した南薫造の作風は、明るい色彩を特徴とし、年々豊かさを増していきます。その温かく豊かな色彩は、郷里・瀬戸内の光に育まれたものと言えるでしょう。

  • 《童子》ふくやま美術館蔵
    《童子》ふくやま美術館蔵
  • 《三ツ口港の景》1917年 倉敷市立美術館蔵
    《三ツ口港の景》1917年 倉敷市立美術館蔵
  • 《瀬戸内》1949年頃 渋谷区立松濤美術館蔵
    《瀬戸内》1949年頃 渋谷区立松濤美術館蔵

基本情報

会期
2021.07.03(土)-2021.08.29(日)
会場
久留米市美術館 本館2階
入館料
個人 団体
一般 1,000円 800円
シニア 700円 500円
大学生 500円 300円
高校生以下 無料 無料
前売り (Pコード685-529/Lコード86702) 600円
*団体料金は15名以上、シニアは65歳以上。
*身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は療育手帳等の交付を受けている方とその介護者1名は、一般個人料金の半額となります。
*前売券はチケットぴあ、ローソン各店にて会期1ヶ月前より販売。
*メンバーシップ「みゅ〜ず」の会員の方は、こちらをご覧ください。
*西鉄電車・バスをご利用の方は、お得な「久留米 花と美術館散策きっぷ」があります。詳しくはこちらをご覧ください。
主催
久留米市美術館、NHK福岡放送局、NHKエンタープライズ九州、毎日新聞社
後援
久留米市教育委員会、RKB毎日放送
制作協力
NHKプロモーション
スペシャルパートナー
株式会社ブリヂストン
オフィシャルパートナー
学校法人久留米大学、株式会社筑邦銀行、株式会社森光商店、
喜多村石油株式会社、株式会社ユー・エス・イー
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